豊橋筆の工房を見学

先週で第6回トリエンナーレ豊橋 星野眞吾賞も閉幕いたしました。ご足労頂いた皆様ありがとうございました!

先日、豊橋に伺った際、作家の鈴木敬三さんの計らいで、豊橋筆を作っている杉浦製筆所の見学をさせていただきました。豊橋で作られる豊橋筆は、広島県熊野町の熊野筆についで生産量が全国第2位で、シェアは全国の約25%、高級筆に限ればシェア率が80%。そしてここ杉浦製筆所で作られる筆は名村大成堂に卸されているそうです。

僕は岩絵具、アクリル絵具、墨と色々なメディウムを使いますが、筆は日本画筆のみですので、大変勉強になりました。

当日、色々とご指南いただいたのは杉浦製筆所4代目の伝統工芸士、杉浦美充さん(写真・左)。

工房の様子。

丁寧に、そしてスピーディーに筆を作られていました。この姿勢でずーと筆をつくられているのですから、当然、腰や首、目にもくるでしょうね。こうした職人さんの結晶を使わせていただいていることを再認識いたしました。

もともとはこういう形の道具も、

使い込んでいくうちにこんな形に。

左からネズミ筆2本、クジャク筆2本、成人女性の髪の毛2本、赤ちゃんの髪の毛、ウサギ筆、東北ムササビ筆、サル筆。
さまざまな動物の筆を見せていただきました。

筆になる前の毛たち。

狸の毛。

キツネ毛と鹿毛。

オオカミの毛。

出荷する筆の最後の仕上げ、のり固め。

筆にたっぷり糊をつけ、

糸にくるくると巻き付け、

スッーと手前に引き、

余分な糊をとります。

糊固めの体験。

昔は写真のように糸を口で噛んで固定し、作業していたそうです。歯に負担がかかるため今はあまりこのやり方ではやらないそうですが、今回は昔ながらのやり方を体験させてもらいました。

厳しい指導のもと、

手先が不器用な僕でも何とかできました。難しかったです。

竹が曲がっていないか、最後の点検。

杉浦製筆所で勉強させてもらったあと、杉浦さんから検品漏れしたものだからと玉毛の筆を頂きました。玉毛とは猫の毛のこと。玉毛筆は高いけど、細かい描写にはこの細密玉毛筆が絶対欠かせません!ありがとうございました。

筆は絵を描く者にとって、命ともいえるもの。材料は何でもそうなのでしょうが、こうした職人さんたちのおかげで成り立っているわけです。それに僕が筆だったらやっぱりきちんと使いこなしてもらう人に使ってもらいたいし、紙だったら自分が描くものとちゃんと向き合ってくれる人のために使われたいと思う。少なくとも適当に描いて、無責任にポイっとする人のところには絶対行きたくないなと。まぁ筆や道具はモノは言わないのだけれど、この作家に使われてよかったと道具が思えるような使い方、そして作品を生み出していかなければいけないと改めて気が引き締まりました。

杉浦製筆所の皆様、鈴木ご夫妻様、片岡様ありがとうございました!

photo by
片岡孝一&田中武