焼き付ける

現在、上野の森美術館「第6回 日経日本画大賞展」において作品を展示中ですが、茨城県近代美術館でも昨年、収蔵された『隠 ~十六恥漢図シリーズ~』が明日5月31日まで展示中です。なので、先日、上京した際に茨城県近代美術館へ行ってきました。

初・茨城近美。ゆったりした時間が流れるとても気持ちのいい空間でした。

展示作品の『隠 ~十六恥漢図シリーズ~』。

この作品は、写真(↓)にあげている川越大師 喜多院の五百羅漢をヒントに作りこんでいきました。

画像参照:tabi2ikitai.com

以前、喜多院には取材で訪れましたが、とにかくその石彫群には圧倒されます。でも、その一つ一つをみていくとどれもが人間味に溢れ、羅漢たちの会話や息遣いが聞こえてくるようです。訪れた人は必ず自分とよく似た羅漢に出会うとされていますが、もし、自分に似た羅漢に出会えなければ、この顔を隠した羅漢が自分自身…ということみたいです。こうした羅漢像であれ、仏画であれ、観者自身をその中に投影していくことが大事なのかもしれません。
僕が描いている十六恥漢図シリーズも、16作品揃ったとき、観る側が何かしら投影できるように、また図像的にこの塞ぎ込んだポーズの美しさを取り入れたいということから、川越大師 喜多院の五百羅漢像を参考にしました。
 

さて、茨城近美の展示では、横山大観、菱田春草、鏑木清方、村上華岳、奥村土牛ときて自分の作品がある…という感じで、僕の作品は良くも悪くも浮いていたし、何よりこの並びに自作があるという光景がこっぱずかしくて仕方なかったです。なので、キャプションと出品目録だけ撮影。

出品目録。

キャプション。

こうした日本美術の先人の作品の中に自作を置いて観ることで、そこから何が読み取れ、そして何が必要なのかをより掘り下げて考える贅沢な時間になりました。大観から現在までの150年をどう直視し、接続していくのか。作品個々を凝視するより、展示室のソファーに座って、展示全体をひたすら目に焼き付けました。これからの作品にどう生かしていくかが肝要。



現地では茨城近美の学芸員さんにも大変お世話になりました。ありがとうございました。
茨城近美の展示は5月31日までですが、お近くにお立寄りの際は是非ご覧ください。
http://www.modernart.museum.ibk.ed.jp/exhibition/jyousetsu/index.html